相手が離婚に応じてくれない方へ

この記事を読むのに必要な時間は約4分17秒です。

配偶者との離婚の話し合いがうまく進まないケースは多いです。

話し合いが進まない原因は概ね以下のとおりです。

① 離婚すること自体を拒まれている。

② 離婚することは同意しているが、離婚条件に折り合いがつかない。

 

離婚すること自体を拒まれている場合

離婚をするためには、まず離婚の協議をして、協議が調わなければ調停申立てをします。

話し合いを調停の場に移しても離婚できない場合には、調停を不成立にして訴訟提起をするという流れになります。

調停までは当事者同士の話し合いでの解決を目指しますので、離婚をしたい理由がどのようなものであっても双方が離婚を希望すれば話し合いは進みます。

一方が離婚に否定的な態度を示している場合、協議または調停で解決することはできません。

訴訟では、たとえ一方が離婚を拒んでいたとしても、裁判所が「この夫婦は婚姻関係が破綻している」と判断すれば離婚が認められます。なので、訴訟の場合には離婚をする理由が重要となってきます。

どのような場合に婚姻関係が破綻しているか(=裁判となった場合に、離婚が認められる)という点について、事前に弁護士に相談しておけば、先々の見通しを立てることができます。

弁護士に相談をした結果、婚姻関係の破綻原因として十分であろうということであれば、協議や調停でも強気に交渉できます。配偶者が離婚に応じない場合には、早期に調停を打ち切って訴訟に移行するという方針にしてもよいと思います。

これに対し、残念ながら婚姻関係の破綻原因としては弱そうだという場合には、訴訟提起をしても裁判所が離婚を認めない可能性があります。そこで、このような場合には調停で粘り強く交渉する方針をとったりします。

いずれにしても、婚姻関係が破綻しているかどうかについては、本人限りでは判断しきれない部分ですので、弁護士に事前に相談してから今後の方針を決めた方がよいでしょう。

>>離婚を考えたとき、押さえるべき8つのポイント

>>離婚に必要な事由

 

離婚することは同意しているが、離婚条件に折り合いがつかない場合

配偶者が納得する条件でない場合には離婚をすることができません。ただ、なんでもかんでも配偶者の言いなりになるのはもったいないです。

離婚する際には、必ず決めなければならない内容(子の親権)のほかに、必ず決めておかなければならない内容ではないけれども、決めておいた方がよい内容(養育費、財産分与、慰謝料、年金分割)があります。

これら各項目は、いずれも判断基準や相場の金額がありますので、それを知っているのと知らないのとでは交渉力に差が出てきます

配偶者が相場よりも過大な条件を提示してきたのであれば、その部分は交渉すべきですし、配偶者が相場どおりの条件を提示してきた場合であれば、配偶者はそんなに無茶なことを言ってきているわけではないなと知ることができます。

そこで、「本件の落としどころ」を事前に弁護士に確認しておいた方が無難です。

もっとも、離婚協議はあくまで相手方のある話です。たとえこちらが相場どおりの条件を提示しても配偶者がこれに納得できないのであれば、話し合いは解決しません。

そのような場合には、弁護士に依頼し、弁護士が交渉の窓口となることで状況が改善することがあります。

また、調停申立てをし、調停委員が関与することで状況が改善することもあります。いずれのケースも、当方の提案が相場にしたがった内容であることを配偶者に認識させることが重要です。

もちろん、本人もそのような説明を試みるのでしょうが、本人が説明するよりも法律の専門家が説明する方が説得的であり、配偶者が折れるケースは多いです。

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